“文字版ファスト映画”摘発、映画の「文字抜き出しサイト」運営者ら検察庁に送致

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映画のストーリーの全容を権利者に無断で文字に起こし、関連画像とともに自社運営Webサイトに掲載したとして、宮城県警察本部と南三陸警察署は5月20日、仙台市在住の会社経営者の男性ら男女5人と運営会社を、著作権法違反の疑いで仙台地方検察庁に送致した。法人が著作権法違反の疑いで送致されるのは極めてまれなケースだ。

違法サイトのページ(一部画像加工)

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コンテンツ海外流通促進機構(CODA)の発表によると、5人は2023年11月、東宝が著作権を有する映画「ゴジラ-1.0」ほか4作品、東映が著作権を有する映画「シン・仮面ライダー」ほか2作品、KADOKAWAが著作権を有する映画「」ほか1作品、円谷プロダクションが著作権を有する映画「シン・ウルトラマン」について、登場人物の名称、セリフや動作、情景、場面展開などストーリー全体の内容を克明に文字起こし。無断で記事を自社サイトに掲載し、広告収益を不当に得ていた。

該当サイトには、少なくとも8000作品以上の映画の詳細なあらすじが掲載されており、「ファスト映画」の“文字版”と言える実態だった。5人の役割は、全体を統括する会社経営者、記事公開を担当する従業員、報酬を受けて記事を作成するライターに分かれていたことが判明。さらに、ライターは人材エージェントを介してアルバイトを募集していたことも明らかに。組織的かつ営利目的の著作権侵害が行われていた。

なお本件は、2024年に運営者とライターが摘発された“サイトA”とは別の事件であり、宮城県警の捜査を受け、CODAにおいて被害権利者を取りまとめて今回の摘発に至った。

近年、こうした“ネタバレサイト”の存在が問題視されており、訪問者に映画の全貌をほぼ理解させることで、コンテンツに正当な対価を支払う意欲を低下させるなど深刻な影響を与えている。これらのサイトを利用する行為は、犯罪者に間接的に収益を与え、作品を作り出す権利者の利益を損ねていると考えられ、CODAは引き続き警戒を呼びかけている。

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