柳明日菜の初監督作「レイニーブルー」劇場公開が決定、高校生の不安定な日常描く

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「緑のざわめき」「メンドウな人々」の柳明日菜による初監督、脚本、主演作「レイニーブルー」が熊本・Denkikanで7月4日より先行上映されたのち、7月18日から東京・アップリンク吉祥寺で劇場公開される。

「レイニーブルー」ポスタービジュアル

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「レイニーブルー」場面写真

「レイニーブルー」場面写真[拡大]

「レイニーブルー」場面写真

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第20回大阪アジアン映画祭のインディ・フォーラム部門に出品された本作は、撮影当時に高校生だった柳が、学校に行けなかった時期の葛藤や実体験を描いた青春群像劇。映画同好会のたった1人の部員・中山蒼は、同郷である熊本・玉名出身の映画人、笠智衆を敬愛していた。ある夏の日の放課後、蒼は部室で1冊のボロボロの脚本を見つける。彼女はそれを手に「誰がどんな気持ちで書いたんだろう?」などと妄想を膨らませていく。

柳が蒼を演じており、共演に熊本出身の高良健吾中島瑠菜小沢まゆ、そして笠智衆の孫にあたる笠兼三が名を連ねる。渡辺紘文鄭亜美らも出演した。挿入歌には徳永英明の楽曲「レイニーブルー」が使用されている。映画監督としての顔も持つ渡辺は監督補・脚本監修も担当した。

柳は「映画や演劇などの文化芸術には『触れた人の心を変える力』があると信じています」「この映画が、人々の心に新たな灯火を届け、映画の持つ力を再確認できる作品となることを願っています」と述懐する。小沢、中島、笠兼三のコメント、映画監督・奥山和由、俳優・竹中直人、映画評論家・暉峻創三、教育を盛り上げる会代表・遠藤洋路の応援コメントは以下に掲載した。YouTubeでは予告編とメイキングが公開中だ。

なおDenkikanでの上映については特別料金を設定。ミニシアターで心を動かす経験、人生を変える映画に出会うためのきっかけにしてほしいという願いから、高校生は500円、大学生・専門学校生は1000円で鑑賞できる。

映画「レイニーブルー」予告編

映画「レイニーブルー」メイキング

柳明日菜 コメント

私の中学・高校は、日本のお父さんと呼ばれた俳優・笠智衆さんの卒業校です。
私の家も笠さんの生家に近く、さらに私の生まれ年や中学入学年が笠さんとちょうど100年違いという不思議な縁があります。少し自慢したくなる話ですが、同級生の誰も知らないのが少し残念です。私は、映画や演劇などの文化芸術には「触れた人の心を変える力」があると信じています。私自身、10代の頃、同世代の演劇作品に心を動かされ、「10代のうちに映画をつくる」という夢を持ちました。何をどう始めればいいのかもわからない中、がむしゃらに動き、試行錯誤を重ね、もがきながらも少しずつ形にしてきました。
この映画が、人々の心に新たな灯火を届け、映画の持つ力を再確認できる作品となることを願っています。

小沢まゆ コメント

完成した本編を観た時、熊本に居た頃の高校時代の自分を思い出しました。
女優になりたいとの夢を抱き、どうすれば夢に近づけるのかと模索していた日々。
この映画は、遠くにあるかどうかの小さな光を見つめていたあの頃の私をそっと抱きしめ、その光を目指して遠回りしたり立ち止まったりしながら歩んできた今の私を丸ごと肯定してくれたようで、涙が溢れて仕方ありませんでした。撮影当時高校生だった柳明日菜監督の豊かな感性と溢れるほどの情熱に満ちた本作は、過去から現在、そして未来への架け橋となる映画だと感じています。誰かの夢を軽んじたり、勝手に無理だと決めつけるのではなく、一緒に考え応援できる大人でありたいと改めて思わせてくれました。この映画が一人でも多くの方に届くことを願っています。

中島瑠菜 コメント

「寺田」を演じさせていただきました、中島瑠菜です。初めて台本を読んだとき、柳監督の描く世界観に圧倒されたのを今でも鮮明に覚えています。そんな物語の中で「寺田」という役を通じて作品に携わらせていただけたこと、本当に嬉しく思っています。また、撮影は私の地元・熊本で行われ、期間中はずっと温かく、幸せな時間を過ごさせていただきました。熊本の美しい景観とともに、柳監督をはじめ、素敵なキャスト・スタッフの皆さんが丁寧に紡いだ青春の物語を、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。

笠兼三 コメント

「レイニーブルー」の現場は様々な愛情に溢れていました。映画への愛、地元への愛、スタッフ陣の監督への愛、そして監督の笠智衆愛。そんな諸々の愛情がどのような作品として結実するのか。熊本の夏はとにかく「熱」く、幸せな時間を過ごさせていただきました。柳監督、楽しい現場をありがとう。また呼んで下さいね。

奥山和由(映画監督 / プロデューサー)応援コメント

映画「レイニーブルー」監督、主演の柳さんの表情に日本映画を切り拓く一筋の光みつけました。確実にAIの時代になるからこそ、人間のために必要な映画を作れる逸材です。

竹中直人(俳優 / 映画監督)応援コメント

遠くから聞こえる声…、風…、足音…、そして、懐かしい音色…。
2度と戻ることの出来ないあの頃の自分…。
監督のまなざしはとってもピュアで、みずみずしくて、情けなくて、やさしい。
俳優たちのお芝居もおかしくて笑っちゃった。
なんだかヘンでとてもチャーミングな映画をありがとうございました!

暉峻創三(映画評論家 / 大阪アジアン映画祭プログラミングディレクター)応援コメント

もう子供ではない、でも大人になり切れてもいない17歳という特別な年齢。その貴重な時期を生きる主人公の、不安定感、憂鬱、懸命さ、奔放さが、あらゆるショットを通じて刺すように伝わってくる。そして、それでも無限大の未来に向かってひたすら前へと歩み続ける力強い美しさに、圧倒される。

遠藤洋路(教育を盛り上げる会代表 / 熊本市教育長)応援コメント

大人になるにつれて、いつの間にか忘れてしまった青春時代。あの頃はなぜ、あんなにいつも悩み、傷つき、そして焦っていたのだろう。この映画で印象的だったのは、高校生と大人との、微妙な距離感です。大人のようで、大人ではない。高校生ならではの葛藤を等身大で描いた柳明日菜監督。熊本から羽ばたく若い力を応援しています。

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おおとも ひさし @tekuriha

柳明日菜の初監督作「レイニーブルー」劇場公開が決定、高校生の不安定な日常描く
"柳が蒼を演じており、共演に熊本出身の高良健吾、中島瑠菜、小沢まゆ、そして笠智衆の孫にあたる笠兼三が名を連ねる。渡辺紘文、鄭亜美らも出演した。 https://t.co/u1n7WOKqet

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